私は、コミュニケーションが下手な子どもでした。とても敏感なくせに、自分がどう感じているかを言葉に変換することが苦手でした。いえ、敏感だからこそ、感情の糸がこんがらがっていたのかもしれません。
大学生でアートセラピーに出会ったとき、自分の心の一部を取り出して目に見える形にできることに感動しました。感情を一つずつ丁寧に感じながら言葉に変換する作業は、私にとって糸のもつれをほどくようでした。
今の私にとって色彩表現は、呼吸や排泄のように生きていく上で不可欠なものです。
心が乱れたり、マイナス思考が止まらなくなったりしたとき、いつも色彩表現によって落ち着きを取り戻し、プラスエネルギーを高めています。そうして、私は今も自分だけの言葉を見つける旅を続けています。
そして、アートセラピー体験は、私自身の子育ての中で、息子の気持ちを感じとることにも役立っています。
現代は家庭が閉鎖的な空間である上、巷には情報が溢れかえっています。わが子と向き合う時、一体何が正しいのか、本当は自分はどうしたいのかがわからなくなることはありませんか。
そんな時、子どもの絵は教えてくれます。
継続的に見ていくと、子どもたちは自ら成長しようとする力強さを持っていることがわかります。親として、わが子の成長を感じられるのは何よりの喜びではないでしょうか。
子どもの絵を紐解くことは、大人が無意識的に持つ価値観に気づくきっかけにもなります。
養育者が捉われから解放されて自由に生きることができると、子どもも自由で、創造的な人生を歩むことができるはずです。
私が育てたいのは、「人生を自分の力で創造できる子ども」です。どんなにAI技術が進んでも、様々な困難にぶつかっても、自分を信じて、柔軟に生きてゆく力です。
アトリエコゾウは、人生をクリエイトできる子どもを育てる「もう一つの学校」でありたいと思います。
あなたも一緒に言葉探しの旅をしませんか。
チャイルドアートカウンセラー, 色彩心理カウンセラー
堀 内 綾 乃